妖精の心を貴方に

「私ね、男の子に興味がないんですよ」

笑って言う佳絵羅お姉ちゃんの姿に、私は驚いて言葉が出てこなかった。

「ええっ!佳絵羅って、男の子に興味ないんですか!」

私よりも、その言葉に真っ先に反応したのが沙弥佳だった。

「はい。最近、そのことが分かりまして。私は、服と望美以外の物に興味ないんですよ」

はっきりとそう告げられ、何て言って良いのか分からなかった。

「男より服を取るんだね〜。珍しい子も居るんもんだ」

「史絵、お帰りなさい」

さっきまで、夜城君と別世界に居た史絵がこちらへと戻ってきた。

「でもさ佳絵羅、恋はした方がいいと思うよ」

「何故ですか?」

「それは、恋をして自分の知らなかった事を、知ることができるからだよ」

「私、これ以上自分のこと知る必要ないと思います」

その言葉は、史絵の胸に深く突き刺さった。