妖精の心を貴方に

クレオは、その本を見た後に直ぐに立ち上がると、アカツキたちめがけて飛んでいった。

『ん?』

クレオの姿を見たアカツキは、動きを止めた。

『く、クレオ!お前も手伝ってーー』

『うるさいっ!!』

アカツキたちめがけて飛んでいったクレオは、真っ先にコウヤを殴り倒した。

『ぐはっ!』

殴られた拍子に、コウヤは後ろへと倒れこんだ。

『よくも、俺の貴重な読書の時間を邪魔してくれたな。アカツキ、特にお前は許さない。この本、どうしてくれるんだ!!』

クレオは、『馬鹿の扱い方』と書かれた本をアカツキに掲げた。

それを見たアカツキは、呆れた表情を浮かべる。

きっと、本の題名に呆れたのだろう。

『そんな本を読むより、教科書を読んでる方がまだましだな』

その言葉を聞いてカチンと来たのか、クレオはアカツキに殴りかかった。

アカツキもクレオに向かっていった時、二人の間で女の子の声が響いた。

『いい加減にしなさい!』

『……』

『……ちっ!』

二人の間小さな女の子が割って入った。

『邪魔をするな、リン!』

『クレオ!本の一冊や二冊、凹んだって良いじゃない。それに、アカツキって言ったかしら?あなたもつまらない喧嘩してないで、まずそこで寝ている契約者起こしたらどうなんですか?!」

リンと呼ばれた妖精は、言いたいこと言い切ると息を整えるように息を吐いた。。