『たく、史絵のやつは……』

「ん?」

『もうちょっと、周りを見てほしいな』

何処からか小さな声が聞こえてきた。

『どうすんだよコウヤ。あんな調子だと、あいつ勉強に身が入らないぞ?』

声は、咲楽の近くから聞こえた。

よく見てみると、咲楽の両肩にルルたちと同じ妖精が座っていた。

「あっ、妖精!」

「っ!」

佳絵羅お姉ちゃんと咲楽は、驚いた表情を浮かべた。

「もしかして、この子たちが見えるの?」

「うん、見えるよ」

私の言葉と同時に、ルルとカラが姿を現した。

『何だクレオ、やっぱり居るじゃね〜かよ』

『うるさいぞ、コウヤ。読書の邪魔をするな』

コウヤと呼ばれた妖精は、周りにいる妖精とは違い少しかっこ良く見えた。