「やっぱり、寝てたんだ〜。私が声かけた時も起きないから、無視されたのかと思っちゃったよ」

「だ、大丈夫だよ、史絵。晶はとても優しい子ーー」

『だから』と言葉を紡ぎかけた時だった。

「史絵!」

教室の扉の方で、史絵を呼ぶ男の子の声が聞こえた。

「しょ!翔〜!」

史絵は、夜城君の姿を見つけると、夜城君の方へと走っていった。

「会いたかったよ、史絵!」

「私もだよ翔!」

母と子の感動の再会みたく、二人はお互いに抱きしめあった。

「……これ、何の話?」

「さぁ……」

もちろん、二人のところにはクラスメイトたちの視線が集まる。

その中で、数人の男子が灰になっていたけど。