「そうか、そんなに聞きたいなら教えてやる。実は、俺と咲楽は同棲しているんだ」

「……同棲!」

な、何でまた玲緒と同棲してるんだよ?!

玲緒と同棲なんてしたら、何が起こるか分からないぞ。

「驚く事はないだろ」

「いやいや待てよ、この話し翔が聞いても驚くぞ。つーか、驚かない奴いないだろ!」

「それもそうか」

納得するなよ……。

自分で言ったんだろ。

「で、なんでまた同棲なんか?」

「ちょっと、理由があってな。咲楽の両親が仕事で当分の間海外に行くみたいなんだ。でも、学校がある咲楽を無理矢理海外へと連れていけるわけがなく、俺の家で預かることになった」

どこにでもありそうな理由だな。

「なるほど、玲緒にとっては嬉しいだろうな。彼女と一つ屋根の下なんだからさ」

「まあな。奈津もそのうち分かるよ、好きな女の子と暮らしたい理由が」

「そんな理由、いつ分かるか知らねーよ」

女子と暮らしたい理由か、その前にまず好きな女子を作らないといけないよな。

俺はふと、望美の方へと視線を向けた。