妖精の心を貴方に

「望美!久しぶり〜」

佳絵羅お姉ちゃんは、さっきの柳原さんと同じく私に抱きついてきた。

「ちょ、ちょっと佳絵羅お姉ちゃん!やめてよ、みんな見てるから」

「そんな事気にしないの!数ヶ月ぶりに会ったんだから、もっと感動の再会みたくしましょう」

佳絵羅お姉ちゃんと私は、従姉妹どうしなんだ。

私のお父さんのお兄さんの子供で、よく一緒に遊んでくれて、私のお姉ちゃんみたいな存在だったから、私は今でも『佳絵羅お姉ちゃん』と呼んでいる。

「佳絵羅お姉ちゃん、何でこの学校に来たか理由聞かせてもらうからね」

「もう!またそんなきつい言い方して。でも、可愛いから許します!!」

今度は、自分の顔を私の頬にスリスリしてきた。

「望美の頬は、お餅みたいで柔らかい……。って、その湿布どうしたのですか?」

「うっ!」

そうだった。

この湿布のことは、佳絵羅お姉ちゃんに言うわけには行かない。

変な誤解をされるかもしれないし、何よりどう行動を起こすか分からない。

「えっと、ちょっとさっき虻に刺されちゃって」

「だ、大丈夫なの?!」

佳絵羅お姉ちゃんは、心配そうに私の頬をさすってくれた。