妖精の心を貴方に

「それでは、次の人どうぞ」

そして、私はもう一人の転校生の姿を見た時に驚いた。

「みなさん、こんにちは。絛佳絵羅(さなだかえら)と申します。まだここに来て、分からないことが多いですが、少しずつ教えて頂けたらと思っています。改めてよろしくお願いします」

佳絵羅お姉ちゃんの深々と頭を下げた姿に、みんなは感心したのか拍手を送った。

「絛さーん!よろしく!」

一人の男の子が、佳絵羅お姉ちゃんの名字を叫んだ。

「あ、はいっ!」

もちろん、佳絵羅お姉ちゃんは笑顔で返す。

「うおおお!俺にも春きたああ!!」

その男の子は、ただ普通に笑顔で返されただけなのに、大喜びで叫んでいた。

「絛さんの席は、莎々原さんの隣ね」

「は、はい!」

凄い、超良い笑顔!