妖精の心を貴方に

「それでは、入って来てください」

先生の声を聞いて、廊下にいた子の内に一人が教室の扉を開いた。

「おおー!」

また男子たちの中で、歓声が上がる。

「あ〜……、来やがった」

俺が一番会いたくない奴が……。

「それでは、自己紹介してね」

まずは、左の髪をオレンジのバンダナでとめている子。

「初めまして、野々原咲楽(ののはらさくら)です」

うん、棒読みだな。

「奈津、あの子が俺の彼女」

「え、まじで!」

想像していた子とは、だいぶ印象が違うな。

てか、どこ見てんだ?