妖精の心を貴方に

「はーい、皆さん席についてください」

俺のクラスの担任の金村先生が、教室へと入ってきた。

「皆さん、少し遅れましたが、授業の前に転校生の子たちを紹介します」

周りの男子たちは、金村先生を美人って言うけど、俺はそうは思わなかった。

何でって、そんなの簡単。

金村先生だって、周りの女の子たちとほとんど一緒じゃないか。

俺が前にそう言った時、男子たちからは『目がおかしい』とか、『目が死んでる』とか、散々なことを言われた。

どうやら俺は、周りと違って少しずれているところがあるみたいだ。

「なぁ、小早川の好きなタイプってどんな人だよ?」

前に一度、そんなことを聞かれたことがある。

好きなタイプ何て考えたことなかったから、適当に返してたけど。

今はどうなんだろうな?