妖精の心を貴方に

【奈津】

「奈津、お帰り」

「ただいま。先生に言っておいてくれたか?」

「あぁ、言っておいた」

玲緒が何て先生に言ったのか気になるが……。

「大丈夫だ。望美さんの場合は、具合が悪くて保健室で寝ていると言っておいた」

「そ、そうか」

普通の言い訳で安心する。

「ん?望美の場合って、俺の場合は?」

「奈津の場合はーー」

玲緒の眼鏡の奥が鋭く光った。

「奈津の場合は、他の先生に呼ばれ説教を受けている&やってこなかった宿題をさせられていると言っておいた」

「な、なんだよそれ!もっとマシな言い訳しろよ!それじゃあ、俺の印象悪くなるだろ!」

「その辺は大丈夫だろ、金村先生だってお前のこと分かってるさ」

辞書読みながら言われると余計腹立つ!

「はぁ……。もういいわ」

俺は、自分の席につく。