「えーっと、湿布はどこだ?」

奈津が湿布を探している間、私は保健室の中を見渡した。

「保健室……、か」

前の学校では、保健室の先生にはお世話になったことを思い出した。

包帯や絆創膏を見ると、前の古傷が痛む気がした。

「おっ!あったあった」

湿布の袋を見つけた奈津も、近くにあった椅子に座ると、袋の中から一枚の湿布を取り出す。

「少し冷たいかもしれないけど、我慢しろよ」

奈津は、私の頰に優しく湿布を貼ってくれた。

奈津の手が私の頬に触れていることに気が付き、顔が真っ赤になる。