「 何処って、保健室に決まってるだろ」

「保健室?」

『保健室』という言葉に、望美は首を傾げた。

まさか、このまま授業を受けるつもりだったのか?

「保健室に行って、湿布貰わないとな、そんな顔じゃ授業出られないだろ?」

「で、でも、一人で行けるよ。この後。授業あるし」

何でどいつもこいつも、授業がどうのって言うかな……。

「 心配すんな。授業なんて一、二回休んだところで成績には響かないから。それに……」

俺は、少し頬を熱くしながら言った。

「 の、望美の事、心配なんだよ」

そして、変なことを口走ってしまった。

「っ!」

望美は、驚いた表情で俺を見てきた。

「 そ、そういう事だから、もう何も言うなよ」

そのまま、望美の手を引いたまま保健室へと向かった。

あの時、何であんなことを口走ったのか分からなかった。

最近の俺は、やっぱりどうかしていた。

俺がこの気持ちに気づくことになるのは、もう少し先の話になる。