それに、俺はファンクラブの存在自体が嫌いだ。

部活の時にも、俺目当てでグランドに集まったり、誕生日会だとか言って変な企画を立てられたりして迷惑していた。

「 な、奈津……。ありがとう」

望美は、少し気まずそうにしながらお礼を言ってきた。

「 そんなことより、頬大丈夫か?」

俺は、少し赤くなって腫れている望美の頬に目を向けた。

「 だ、大丈夫だよ。こんなの慣れてるから、直ぐに腫れも治まるし」

「 慣れてるって……。大丈夫なわけないだろ、少し腫れてるぞ!?」

俺は、ポケットからハンカチを取り出して、望美の唇の端から出ている血を優しく拭ってやった。

「 あ、ありがとう。でも、何で私がここに居るって分かったの?」

望美の言葉にドキッとする。