「 そ、それは……」

大形は、俺の目を見ると視線を逸した。

当たり前か、俺だってこんなに睨んだことないし。

「 それに、望美の顔赤くなってるし、唇から血もでてる」

大形に殴られたせいで、望美の唇の端からは血が軽く出ていた。

どれくらいの力で望美を殴ったんだよ。

「え?」

望美は、気づいていなかったのか、指で唇の端を触っている。

「 二度とこんな事するな、望美にも手を出すな」

俺は、周りにいたファンクラブの子たちにも睨みつけた。

ファンクラブの子たちは、怯えながらこの場から走り去っていった。

これで当分、静かにしていると思うけど、しばらくは様子見だな。