「よし」

夕日が教室を照らす中、私は一人美術室で絵を描いていた。

「暗くなってきなぁ、そろそろ帰ろうかな?」

一旦、スケッチブックを机の上に置き帰りの準備をし始める。

私は絵を描くことはあまり得意ではない。

ただ、小さい頃から絵を描くのが好きで、中学では美術部に入部している。

「そうだ、ちょっと本でも借りていこうかな?」

美術室を出た私は、図書館へと向かった。

開いていた窓から風が入り込み、スケッチブックのページをめくっていく。

そして、スケッチブックはあるページで止まった。

一人の妖精が描かれていたページに――