僕の同級生が山本さんを殴ろうとして逆に蹴られた。


同級生が倒れた所を素早く右足に鉄パイプを思いきり振り下ろした。


こっちにまで音が聞こえそうな程だった。


もう一人が蹴ってきたがギリギリで避けると右足めがけて鉄パイプを振った。


頭を割られた男が殴ろうとしたが、下から思いきり顎を蹴った。


倒れた所をやはり右足を鉄パイプで二度殴った。

山本さんは周囲に注意しながら三人の右足を二度ずつ念を入れ鉄パイプで痛めつけた。

そこには、容赦とか感情とか感じられ無く僕は恐怖さえ覚えた。


名前の浮かばない同級生も道路に倒れていた。

樋口さんが後ろで煙草に火をつけてフーッと煙を吐くのが分かった。

樋口さんも何かを思ったのかも知れない。


「サバイバルってのはこういう事よね。」


そういうと樋口さんはこと美ちゃんの頭を撫でた。



こと美ちゃんの目には、うっすら涙が浮かんでるように見えたのは気のせいだろうか?


僕はショックは大きかったが涙さえ出なかったし果たして本当に悲しいのかも分からなかった。


山本さんは汗をかいて戻るとペットボトルの水を少し飲んでゲツジンが使っていた弓の道具を三人に投げて寄越した。


山本さんは、武器は多い方が良いだろうと言いながら腰をおろした。


この人はも命懸けだったのだと思うと同級生の事は言えなくなっていた。