「──あぁ、うん。言ってなかったっけ」



「今初めて知った」



「姉ちゃんと同じ高校」



千花が昔、着ていた制服だ。



「ぁ、の。瑞希くん」



「わかった。俺も話あるし」



瑞希の返事に心底ホッとしたような顔をする彼女を見て、なんとなく悟る。



別れると言われてしまっただけに、ものすごく緊張していたんだろう。




「ってか、花どうやってココに来たわけ?まさか堂々と待ち伏せしたわけじゃあるまいし」



「違うよーっ。この間海に行ったときに僕が連絡先交換してたから、連れてきてあげたのっ。あ、もちろん裏からだよ?」



「……そ」



「とりあえず、話だろ。“黒”のことか?」