「和架って、誘惑に弱いんだね」



「誰でも好きなヤツに言われたらそうなるだろ」



「なんて誘われたの」



「言わねぇ」



絶対言わねぇ。



俺だけのもんだから……って、これが既に独占欲なのか。



千花の胸元のキスマークが消えない限り、俺は千花を独占してしまいそうだ。



消えないで欲しい、なんてな。




「ほんと、千花さんには驚くよ。和架の表情コロコロ変えられる人だしね」



「んなに言うほど顔に出てねぇよ」



「いや、めちゃくちゃ出てるよ。すごい優しい顔になったかと思ったら、嬉しそうだし。今の最後の顔は……うん」



「うんってなんだよ」



「いや、エロいこと考えてたんだろうなって思ったよ」



……チッ。