「どうだった?依千花さんと」



なかなか戻らない俺の元へやってきたのは、珍しく楽しそうな亜希。



「どうって、何が聞きたいんだ」



「うん?なんか、依千花さん泳がないんだって。水着持ってきたのに」



……あ。



俺がキスマークつけたから、泳げねぇのか。



「着替え持ってきてるらしいから、下は水着に着替えて上からTシャツ着るって言ってたよ」



「……そうか」



「和架、依千花さんになんかしたの?」



「した……っつうか、された」



俺の答えに、一瞬亜希はきょとんとして。




「されたって、何を?」



「……誘惑された」



本人にそのつもりがあったのかなかったのかは分かんねぇけど、それに誘われてしまったのは間違いなくて。



亜希は、くすくすと笑った。



「誘われて、ノッちゃったんだ?」