「わかったよ」 「えっ?」 「もうわかったって言ってるんだよっ」 「っ!」 怒ったように声を荒げて走り去って行く翔。 何が……わかったの? 意地を張って本心とは逆の翔を怒らせるようなことばかり言った私の本当の気持ちなど、翔にわかるはずがない。 ドクン……ドクン…… 言いようのない後悔と不安が、体中を駆け巡る。 しかし、不器用で追いかけることもできない私には、離れて行く翔の背中を見ながら呆然と立ち尽くすことしかできなかった。