あくびをかみ殺しながらただ時が過ぎるのを待っていたアスラの肩を、ふいになにか鋭いものが突いた。 「……っ!」 何なんだ一体! と、心中で怒鳴りながら右肩に目を遣ると、黒い小鳥が――イフリートがいた。 「アダーラだ」 低い声が言う。 ハッとして前を向くと、アルマクの国でも随一の美少女たちが、国一番と言われる踊りを披露していた。 その中心で踊るのは一際美しい少女だ。 「あの娘だ」と、イフリートが言った。 アスラは緊張した面持ちで、中心の少女を見る。