あんまりな言い様だが、本当のことなので言い返すこともできない。
アスラは不服そうな顔で、もごもごとクナーファを呑みこむと、
「……本題に入ろう」
と、強引に話をすり替えた。
とたん、笑顔だったマルダの表情が曇った。
父親を亡くした話をしろと言うのだから当然だ。
「マルダ、辛いなら無理に話さなくても……」
アスラが思わずそう言うと、マルダはぶんぶんと首を振った。
「いや、話すよ。そんで、アスラ姉ちゃんに水晶窟の魔人を退治してもらうんだ」
退治をする、とは一言も言っていないが、マルダはもうアスラに魔人を退治させる気でいる。
これは話を聞くだけでは終われないな、と、覚悟を決めて、アスラは頷いた。
「父ちゃんは、アズラク水晶窟で水晶の採掘をする鉱夫だったんだ――」
ビッラウラ最大の水晶窟であるアズラク水晶窟では、数ヶ月前から事故が相次ぐようになっていた、と、マルダは言った。



