「〈イウサール〉に手伝わせるなんて無理だ。それに、あんたがついてたって成功する保証なんてないだろ」
馬鹿馬鹿しい、と吐き捨てたシンヤに、アスラはこれ以上ないくらいのニヤニヤ笑いを浮かべる。
「魔人もついてくるけど?」
「……っ!」
「イフリートなら〈イウサール〉の新しいアジトくらいすぐ見つけられるし、事が済んだら衛兵に捕まる前にあたしたちを乗せて逃げられる。そうだろ、イフリート?」
アスラに有無を言わさぬ笑みを向けられ、イフリートはため息をつきながらも頷いた。
「おまえは最近、私の使い方が荒くなってきたな」
「好きに使えと言ったのはおまえだ」
「…………いいだろう。命令とあらば」
その返事を聞いて、アスラは満足そうに頷くと、シンヤに向き直る。
「どうだ、あたしについて来る気はあるか?」
不敵に微笑み、アスラがシンヤに手を差し伸べた。