「んなことはわかってるよ。べつにいいさ。こんな人生、惜しいとも思ってない。命を粗末にするなとか、そんな説教なら聞かねぇぞ」
「馬鹿だな。そうじゃない」
呆れたように肩をすくめて首を横に振るアスラに、シンヤが怪訝そうな顔をした。
「さっきも言ったけど、領主を殺そうとすれば、成功しようとすまいと、おまえも死ぬ。しかも、成功しない可能性の方が大きい。仇も取れずに無駄死にしたいのか?」
それに、と、シンヤが反論する前にアスラは続ける。
「成功したとして、おまえは領主を殺した罪で殺される。この国の法では、平民が上位の貴族を殺したときの刑罰は拷問の末の死刑。
四肢を順番に切り落とされて死んだ者もいたと聞く。肉を少しずつ削がれた者、生きたまま内蔵を引きずり出された者、蒸し殺された者……」
アスラは聞くだけでおぞましい刑罰を淡々と並べ立てた。
夜闇の中でもシンヤの顔がみるみる青ざめていくのがわかる。
とどめに「果ては車裂きまで」と言うと、シンヤの頬がピクピクと震えた。



