アルマクと幻夜の月




「……ま、俺はもう関係ねぇけど」


たとえ盗賊という形でも、極限の生活の中で守るべきもののためにともに戦える仲間がいたことは、財も名誉も持たず、家族と自分の身しか持たぬ彼らにとって、ひとつの誇りなのだろう。

沈んだ様子のシンヤを見ていると、彼が除名された直接の原因であるだけ、なんだか申し訳なくなってくる。


アスラは途方に暮れたようにイフリートを見て、またシンヤに視線を戻し、「あ、じゃあさ、こうしよう」と、人差し指を立ててみせた。


「あの、ハイサムってやつが頭領なんだろ? 明日一緒に、もう一度〈イウサール〉に入れてくれって頼んでみよう。あたしも一緒に行って、アジトの場所は絶対他言しないって約束するから」


だが、その申し出にシンヤは即座に首を横に振った。