そして振り向いたアスラの左腕をとって、その手首に、真珠の腕飾を付けた。
「これは……?」
「あんたにやる。いらなかったらその辺に捨てちまいな」
なぜ、というふうにきょとんとした顔のアスラを、老婦人はどこかまぶしそうに見て微笑んだ。
「あんたが店に入ってきたときね、娘が戻ってきたのかと思ったんだ」
「……え」
「しかも踊り子だ、なんて言うじゃないか。年甲斐もなく運命なんて思っちまってね」
苦笑する老婦人に、アスラは遠慮がちに「……あの、」と声を上げる。
「娘さんって……」
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