アルマクと幻夜の月




言いながら、アスラは窓の外で黒馬の姿となったイフリートに乗った。


そして、闇色の瞳をスルターナに向けると。


「でも、絶対いつかあんたに復讐する。――殺すよりも、もっとひどいやり方で」


アスラが言い終えると、イフリートは宙を蹴って夜空へ舞い上がる。


遠くなっていく王宮の光を眺めながら、なんとも格好悪い捨て台詞だな、とアスラは自嘲した。

負け犬の遠吠えとは、まさにこのこと。


まあ、今はそれでいい。

王宮に背を向けて、アスラは夜の空気を深く吸い込んだ。


今はまだ、負け犬の遠吠えでいい。

けれど、負け犬の遠吠えのままでは、決して終わらせない。