ガラガラと音を立てて扉を開けると、一斉にクラスの生徒達の目線があたしに向く。 こんな注目は出来る限り向けられたくはないのだが…。 少し遅れてしまったみたいだ。 あたしは特に慌てた素振りも見せずに、自分の机へと真っ先に向かう。 教師はあたしに「2分遅れだぞ」と注意してくる。 あたしは、「すみません」と頭を少し下げて、窓際の席へと腰を下ろす。 今日は空が不機嫌そうに暗い──。