……ふと、黒い猫があたしの足に擦り寄ってくる。 どうやらあたしは動物に好かれやすいらしい。 でも、昔からこうだった訳じゃない。 なにかきっかけがあった筈なんだけれど。 ……なんだったかな、思い出せないや。 たぶん、思い出せないから大したことじゃないんだ。 ……けど、どうしてかな、忘れちゃいけないことだった気がするんだ。 そんな時、チャイムが響く。 あたしはその猫に手を振って、慌てて教室へと駆け出した。