「あ、いきなり1日だとかお互い緊張しちゃうよね?だったら放課後に少しお茶とかどう?美味しいケーキのお店知ってるの」

自分でもらしくないことを言って、柄にもなくにこにこと笑顔を向けてると思う。

だけど、こうでもしないと約束を取り付けることなんて出来ないと思ったから。


「あ……えっと、サッカー部の練習がない日なら大丈夫、かな……?」

戸惑った様子を隠しきれない大西さんは、隣に立つ石丸くんに問いかける。

決して乗り気じゃないことは伝わってきたけれど、こんなふうに誘われたら普通は断れない。

「ああ……練習がない日なら」

「本当⁉︎ 良かったー!」

思惑通りの返事に、あたしは満面の笑顔を貼り付けて、わざとらしく喜ぶ素振りを見せた。