「あっ、こっ、こんにちは!」
ペコッと頭を下げる大西さん。
あたしはクスクスと小さく笑いながら、
「そんな改まらなくていいよ。同い年でしょ?仲良くしてね」
「え、あ……うん」
彼女の前に右手を差し出すと、明らかに動揺しながら大西さんはあたしの手を握り返した。
無駄に警戒している様子がムカつく。
心配しなくても、あんたの彼にはきっぱりフられてるんだってば。
ムクムクと嫌な感情は、どんどん膨らんで。
「実はあたしね、圭太くんと付き合うことになったんだ」
あたしは自ら圭太くんの袖の裾を引っ張り、彼の体を引き寄せた。
そして、
「あっ、そうだ!今度ダブルデートしない!?」
パンッと両手を合わせて、提案した。
本当はこのメンバーで遊ぶなんてごめん。
“彼女”を連れた石丸くんの姿なんて見たくない。
……でも。