ハチミツみたいな恋じゃなくても。



グイッと引き寄せられた肩。

そして……。


「俺たちさ、付き合うことになった」


そう告げたのは、圭太くん。


付き合うことになった……って。


「ちょっ……!?」

何言ってんの!?

身に覚えのない発言に、意味がさっぱり分からなくて、直ぐさま反論しようとした。


だけど、それを遮るようにギュッと更に引き寄せられた肩。


圭太くんの吐息が耳にかかりそうなくらい近い距離。

ふと目の前の石丸くんに目を向けてみれば、


ポカンと口を開け、驚いた様子であたし達ふたりの姿を見ていた。


「……」

何、だろう……悔しい。


昨日好きだって告げたばかりなのに。

それなのに、違う男子と付き合うことになったって言ってるんだよ?

しかも相手は自分の親友……。


少しくらい、ショックそうな顔してくれたっていいじゃん。


ぎゅうっと握りこぶしをスカートの横で作る。

そして――。