ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「な、何……?」

あたしが聞くと、圭太くんはとうとう吹き出して、「あはは!」と爆笑した。


「蜂谷って本当に性格悪いのな」

「っ……!」

ストレートすぎる発言に、カアッと顔が赤くなる。


「うるさいっ!」


性格悪いなんてそんなこと、改めて言われなくったって分かってる。

でも、どうしようもないんだもの。


あの彼女じゃ石丸くんに釣り合っていないと思うのも、

彼のことが好きで好きで、しょうがない気持ちも。


本当だから、どうしようもない――。


それでも、圭太くんの発言は間違ってはいなくて。

悔しさがじわりと込み上げて、下唇を噛む。


やっぱり、今の圭太くんのことは嫌い。


「もういいから」

早く帰ればと、追い返そうとしたときだった。


「でも俺は、今の蜂谷の方が良いかな」

「は……」


何言ってんのと思いながら、聞く余裕もなかった。

それは、


「だったら俺と付き合う?」


もっともっととんでもないことを、圭太くんが言ってきたから。