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もう本当に何やってんだか……。
頭を冷やす……わけにはいかなくて、代わりに水道水を手に当てながら、本日2回目の自分へのため息。
『会いたい』なんて、何を今更思っているんだろう。
……ううん。何をまだ、の方が正しい。
とにかく、ダメだ。
キュッと蛇口を閉めて、ペーパータオルで手を拭く。
そしてすぐに、ポケットからケータイを取り出した。
【役目は果たしたので、先に帰ります】
宛先はもちろん瞳。
飛び出した勢いで、カバンを持ってきていて良かった。
気付かれたら、きっと連れ戻される。
分かっているから、あたしは足早にカラオケボックスを後にした。
それからすぐのことだった。
ケータイがブルブルと、けたたましく鳴り響いたのは。



