ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「どうせ、バカだって思ってるんでしょ」

考えていたら、込み上げてきた苛立つ感情を、そのひと言に込めた。すると、

「んー……まぁ正直。今告って、望みがあるとでも思ったわけ?」

思っていたよりもあっさりと肯定されて。

あたしはムッとしながら、膝の上に置いた両手に力を入れる。


望みがある、なんて。


「……まさか」

そんなの、一ミリだって思っていない。

「ただ悔しかっただけだよ。あたしはまだこんなに好きなのに、石丸くんの中で過去にされちゃってることが」

フられたって、何でも良かった。

まだ好きだっていうあたしの気持ちを、ただただ知って欲しかった。


過去になんて出来てない、今もあの時と変わらない、あたしの気持ち――。


こんなことを圭太くんに言ったって、どうせ呆れた様子で笑われたり、バカにされると思っていた。

……だけど。


「ふーん……まぁそれは分かるかも」


……え?

隣から聞こえた声に、目を見開く。

思っていたのとは逆とも言える答えにびっくりして、真意を確かめようと彼の方を見る……けど、