ハチミツみたいな恋じゃなくても。


素直そうで、良い子そう。

……なのに、圭太くんの一体どこがいいの?

なんて、いけないいけない。


「それじゃあ、先に行ってるね」

頭の中に浮かんだ余計な言葉をもみ消して、あたしはふたりに背を向けた。

「あっ、蜂谷」って、圭太くんの呼ぶ声が聞こえた気がするけれど、わざと聞こえてないフリをした。


ほんの少し頬を紅らめた女の子の顔。

そして、躊躇いがちなその様子から、きっと圭太くんに告白でもするんだろうと思った。

今のあたしからしたら、どこがいいの?って感じだけど……。


確かに顔は良い方だもんね……。

それに、中学生の頃から圭太くんはよくモテていた。

石丸くんには負けるけど、ふたりは言わばサッカー部のツートップで。並んでいると女子達が騒いでいたっけ。


だから、告白されることも少なくなかったはずなのに……そういえば、圭太くんの彼女の話って聞いたことがない。

どうしてだろう……と、ふと思った疑問に首を傾げていると、