ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「うちの練習、一人で見に来るほどサッカー好きなんでしょ」

と、問いかけた。


「……」

あぁ、何だ……サッカーのこと。


「あ、うん」

何でもなかったかのように笑顔を作って頷く。

でも本当は顔から火が出てしまいそう。

あたしとしたことが、勝手に勘違いしちゃって恥ずかしいことこの上ない。


そんなあたしの様子には、石丸くんは気付いていないみたいで。


「蜂谷が練習見にくるのは別にいいんだけどさ……友達の弟さんも良かったら呼んだら?」

「え……」

続けられた言葉に、思わず固まった。


「何ていうか実際に本人に見てもらった方が、チームの雰囲気とかも伝わると思うっていうか……」


真面目な顔をして話す石丸くん。

その姿にドクンと、鼓動を大きく一度打つ。


「そうだね……」

合わせるように頷きながら、膝の上に置いた手のひらをぎゅっと丸めた。


「また瞳にも話してみるよ」

「ん、そうしてみて。こっちは本当にかまわないから」

「……ありがとう」