ハチミツみたいな恋じゃなくても。


***


「ごめんね、迷惑じゃなかった?」

「いや、こっちは全然大丈夫」

放課後。あたしの隣を歩くのは……石丸くん。


LINEの返事を待ちに待って、お昼過ぎにやっと届いたのは【いいよ】のひと言。

少し素っ気なくも感じる返答に、本当に行っていいものかと迷う気持ちもあった。


だけど、高坂高校の門の前。
迎えに来てくれたのは石丸くん本人で。

こうして並んで話せている時間に、来て良かったと心から思う。


何でもない普通の会話をしながら、石丸くんが連れて行ってくれた先は、コート横のベンチ。


「飽きたら適当に帰ってもらってかまわないから」

「ありがとう」

荷物を横に置いて腰掛ける……けど、

「でも、本当に好きなんだな」

「えっ!?」

石丸くんの言葉に、思わず飛び上がりそうになった。


だって、好きって……。
え、え!?

一瞬のうちに色んなことを考えた。

もしかして圭太くんが全部話したのか、とか。


だけど、慌てるあたしを石丸くんは不思議そうに見て、