ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「今日の放課後も行こうと思ってるんだけど」

「……ごめん、今日はパスしてもいい?」

「うん、了解」


瞳の返事はわかっていた。

何となくリョウくんと上手くいってないことも想像ついて、無理に付き合わせることは出来ないと思った。


これからのこと、相談しようと思っていたけど、今はそれどころじゃなさそうだな……。

瞳の席から自分の席へと戻ってきたあたし。

椅子に腰掛けて、制服のポケットからスマホを取り出す。


まぁ何にせよ、石丸くんに近づかなきゃ始まらないよね……。


昨日教えて貰った連絡先。

電話番号を入れたら、自然とLINEの友達に石丸くんが追加されていて。

サッカーボールの写った写真のアイコンが、らしいなぁと思いながらトーク画面を開く。そして、


【おはよう。今日の放課後も、あたしだけなんだけど見学に行ってもいいかな?】


【いいですか?】と悩みつつ、でも同級生なんだし……と、タメ語で送った。

いつ既読になるかそわそわして、朝のHRが始まるまでずっとスマホと睨めっこをしていた。

でも、朝のうちに既読が付くことはなく……。


やっと既読が付いて、返事が来たのはお昼を過ぎてからだった。