はぁ……もうムカつく!

いつものように登校してきたあたしは、いつものように机にカバンを下ろし、席に座る。


昨日からずーっと頭を離れてくれないのは、圭太くんの言葉と、人を小馬鹿にするようなあの顔。


『せいぜい頑張って』

……なんて、どうせ頑張ったって無理だと思っているくせに。

でも、あんな言い方をされたら逆に、意地でも石丸くんを振り向かせたくなる。

圭太くんに一泡吹かせてやりたい。

もちろんそれだけじゃなくて、石丸くんが好きだという気持ちも本物なのだけど……。


とにかく相手は彼女持ち。

諦めるつもりはないと言ったけど、今まで男の方から寄ってきてくれただけに、こういう場合どうしたらいいのかわからない。


とりあえず瞳に相談……って、あれ?


そういえば、瞳が来ない。

いつもならあたしが登校すれば、真っ先に「おはよ」って声をかけに来るのに。


まだ学校に来ていないんだろうか。

そう思いながら瞳の席の方を見ると、席に着いた瞳の姿がしっかりあった。