ハチミツみたいな恋じゃなくても。


表面上は大人しく、おっとりとした雰囲気でいた方が何かと便利で。

それは特に男子の前……中学生の頃とか、なるべくそうあるように心がけていた。

だけど、心の中はずっとこう。
本当は大人しくもおっとりもしていない。


「がっかりさせちゃった?」

あたしが皮肉交じりに問いかけてみると、圭太くんは「んー……」と少し考える声を漏らしたあと、

「いや、別に。何となく気付いてたし」

にっこり笑ってそう言った。


「……」

気付いてた……って、何それ。

あたしの性格が悪いって前から、それこそ中学生の時から思ってたってこと?

恥ずかしさと怒りで、顔がカッと赤くなる。


「あたしは圭太くんがこんなイラっとする人だとは知らなかった」

お返しとばかりに言い返すと、圭太くんはハハッと短く笑った。


昨日まであたしの中の“圭太くん”は、優しくて良い人だったのに。

全くダメージを受けていない彼の様子が、それまた悔しさを募らせてくれる。


失敗した。落ち着くために何か飲み物でも買っておくべきだった。

そんなことを思いながら、あたしは小さく息を吐いた。

そしてまた、視線を前へと向ける。