ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「大西さんは……マネージャーとかですか?」

自分のことから話を逸らしたい一心で、あたしはそれほど興味があるわけではないことを問いかけた。

でも、聞かなきゃ良かったと後悔することになる。


「いや、マネージャーではなくて」

否定しようとした大西さんに、

「そういえば何の用?」

口を挟んで聞いたのは石丸くん。


「何の用って……部活行く前にちょっと待っててって言ったじゃん!」

「あー……そうだったっけ?」

「そうだよ! また忘れてるっ!」

ぷーっと、大西さんは頬を膨らませて。
「で、何?」と石丸くんが続けると、

「これ。昨日、優衣と作ったから」

片手に持っていた小さな袋を、大西さんは石丸くんに差し出した。


袋の中身が何なのか、知る余地はない。

だけど、ただひとつ分かるのは……ふたりの仲が良さそうだということ。


石丸くんは「え、大丈夫かよ」と、一旦不快そうに眉を寄せながらも、すぐに「サンキュ」と返事をしていて。

大西さんも満足気に「うん」と頷いた。