ハチミツみたいな恋じゃなくても。


『中村』なんてよくある名前。

だけど、石丸くんと同じサッカー部……それには、心当たりがひとりあった。

もしかして、もしかしてと思いながら、視線をゆっくりと向ける。

すると、


「久しぶり、蜂谷さん」

「圭太くんっ!」


あたしの“心当たり”は、見事に的中していた。

にっこりと微笑んだその人は、あたしの知っている『中村』だった。


中村 圭太(なかむら けいた)。

同じ中学で、同じくサッカー部の部員で。
そして……石丸くんの親友と言える存在。


マネージャーとして入部したあたしに、「圭太って呼んで」と、真っ先に声をかけてきてくれたのが圭太くんだったけど……。

「何か、高校生になって益々チャラくなった?」

染めているのか、少し茶色がかった髪。
ダランと垂れ下がったネクタイを見て、あたしが小さく苦笑すると、

「蜂谷さんはすっげー大人っぽくなったね」

と、ほんの少し驚いた表情をして言われた。