「ごめんって」
そう言って、するりと圭太くんはあたしの手を握って捕まえた。
「……」
晴れて本物の恋人同士になったあたし達。
温かい彼の手を振りほどく理由はなくて、さっきとはまた違う恥ずかしさで、あたしは顔を赤く染める。
「じゃあ今日のお詫びに、蜂谷の言うことひとつきく」
「え?」
「何でもいいから言ってみ?」
「え、えっと……」
何だか嬉しそうに満面の笑みで言われ、あたしは慌てて考える。
急にそんなこと言われても。
でも、そうだなぁ……。
「……あ、じゃあ来月なんだけど」
ひとつ思い浮かんだことを、恐る恐る口にした。
「あたしの誕生日、一緒に過ごしてもらってもいい……?」
結構真面目に考えて、そこそこに良い案を思いついたと思った。
……なのに、圭太くんはそれを聞いた瞬間キョトンとして。
「いや、それ付き合ってたら普通だから」
プッと吹き出した。



