「……」
ポカンとして、あたしはその場に立ち尽くす。
なんで……冗談だなんて言うの。
なんで、そんな悲しそうな顔して笑うの。
あたしまだ、何も言ってないじゃん。
何も言っていないのに――。
「……いいよ」
あたしは圭太くんの背中に向かって呟いた。
「いいよ、貰ってあげる。あたし、圭太くんのこと好きだから」
……言った。
とうとう口にした、決定的な二文字。
「……は?」
驚いた様子で、振り返る圭太くん。
目を真ん丸にして、信じられないといった顔。
――もう、なんでよ。
「だから、好きだって言ってんの! それなのに、勝手に勘違いしちゃって嫉妬とかして、バカじゃないの!?」
ボスッと圭太くんの胸元を腕で叩いて、あたしは彼の横を通り過ぎた。
そのまま、スタスタと歩き出す。
こんな風に告白したかったんじゃないのに。
バカじゃないのとか、勢いで出てしまった言葉に、後悔しかない。
でも……圭太くんがいけないんだよ。



