それらしいことを言ってみたり、それらしい態度をとったりはしてる。
でも、はっきりと言葉にはしていない。
そろそろ、ちゃんと言わなくちゃとは思う……けど。
「はぁ……」
あたしはもう一度ため息を落とした。
あのとき、勢いで言ってしまえば良かったのに、言わなかったことを後悔してる。
両想いとわかっていながらも、改めて伝えるのがこんなに難しいなんて。
どうやってこんな話しを切り出すか、ああでもないこうでもないと考えていると、あっという間に圭太くんは戻ってきた。
こういうときに限って、いつもより随分早い。
「お待たせ」
「早かったね」
「あぁ。もう化膿する心配もないし、今日で来なくていいってさ」
「そうなんだ……」
言いながら圭太くんの腕を見ると、包帯は取れていて、ガーゼの大きな絆創膏になっていた。
通院が終わってホッとする反面、焦る。
だってこれで、圭太くんに会いに行く口実がなくなってしまった。
つまり、本当に今日伝えないと、どんどん難しくなってしまうわけで……。



