ハチミツみたいな恋じゃなくても。



学校を出て、駅まで行って、そこからバスに乗って。

あたしと圭太くんが向かった先は、この辺で一番大きな総合病院。



診察へと向かった圭太くんを、あたしは自動販売機やベンチの並ぶ広場で待つ。


あたしのために刺された圭太くん。

神経まで達してしまったとか、そういうことは幸いなかったけれど、それでも数針縫うほどの傷を負わせてしまった。

そのせめてもの償いというか、出来るのはこのくらいというか……彼の通院に同行するのが、あたしの役目になっていた。


……に、しても。

「はぁ」とひとり、小さなため息をつく。


今日の圭太くん、怒ってた……よね。


いつもなら、移動中とかウザったいくらいに話しかけてくるのに、今日はあたしが話しかけないと喋ってくることはなかった。


原因はわかってる。

たぶん、石丸くんのことで……嫉妬してる。


自分が一緒にさせたくせに、勝手に嫉妬して怒るとか意味わかんない。

でも、あたしがいけないのも自覚してる。


まだ……言ってないから。

自分の今の気持ち、圭太くんに伝えてないから……。