ハチミツみたいな恋じゃなくても。



そこの角を曲がれば、もうすぐ家の前。

そんなところであたしは足を止めた。


「……」

あたしの視線の先には人の姿。


土曜日というのに制服。

だけど、肩にかけた大きなスポーツバッグが、その理由を物語っている。

たぶんこれから部活なんだろう……って、そんなことはどうでもよくて。


「な、なんで……」


動揺のあまり声が溢れる。

だって、そこにいるのは本来いるはずのない人。そして、


今の今まで考えていた……ひと。


一歩、二歩と、後ずさりするあたし。

そのまま咄嗟に逃げてしまおうとした……ときだった。


俯いてスマホを操作していたその人は、パッと顔を上げて。

目と目が合ってしまった。



「……っ!!」

「蜂谷」


走り出そうとしたあたしの手をパシッと掴んで、止められる。

逃げ場を失ったあたしは、恐る恐る顔を上げた。


目の前には……圭太くん。