「そっか。じゃあ、会いに行くの？」
「え？」
「あれ？ 告りに行かないの？」
さらっと言ってくれた瞳に、顔を赤くさせる。
「っ、そんな簡単に言わないでよ」
「何で？ 両想いなんだから何の問題もないじゃん」
それはそうかもしれない……けど。
あたしが圭太くんに告白なんて、どんな顔をしてすればいいのかわからない。
「そうやってモタモタしてる間に、他の人に盗られちゃっても知らないんだからね？」
「圭太くんのことなんて、誰も盗らないから」
……と、言ってみるけどあの人、思っていたよりかなりモテるんだっけ。
「と、とにかく！ あたしもう帰るから！」
そう言って立ち上がると、何がおかしいのか瞳はクスクスと笑った。そして、
「まぁ盗られちゃったら、また合コン付き合ってあげるから。……あ、上手くいった場合はそれはそれで、お礼にイケメン紹介してね」
「……ばか」
語尾には見えないハートマーク。
相変わらずな瞳に、あたしはため息をつき、背を向けようとした。
だけど、思い出したように瞳に目を向ける。
「……ありがとう」
