ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「両想い、だったの……?」

「……」


俯いて、ポツリと溢した言葉に返事はなくて。

確認するように顔を上げると、


「……ごめん」

「っ……!!」


圭太くんが謝った次の瞬間。


パシッ!


あたしは思いっきり、その頬を引っ叩いた。


「なんで!? 何でよっ!!」


こみ上げる感情が抑えきれない。


だって、ずっと苦しかった。
忘れようとしても、忘れられなくて。

自分でも嫌になるくらい、醜い感情に埋もれて。

それくらい石丸くんのことが、ずっとずっと好きだった。


……だけど。


だけどようやく、諦められたと思ったのに。

圭太くんのお陰で、諦められたと思ったのに。


そして……。


ちゃんと向き合おうと思っていたのに。

圭太くんと……。